ライターと依頼者を両方やっている、練馬のライターです。
ここ最近、執筆をお願いすることが増えてきたのですが、ライターの時には気が付かないが、依頼者になるとすぐに気が付くものがあります。
今回はその辺りについて書いてみたいと思います。
依頼者はライターの何に対価を払っているか
「は?そりゃ記事に対して対価を払っているんでしょ。だから、ライター、書く人という職業なんだよ」「記事のクオリティと分量でしょ。簡単で短い記事は安く、難しく長い記事は高い」という回答がすぐに返ってきそうです。
しかし、依頼者は純粋な記事以外についてもお金を払っている、いや、「お金を払ってもいい」「払いたい」と思っています。いくつかあげて見ましょう。
1、短納期
これは結構分かりやすいと思います。航空券を買う時も、「1カ月前なら2万円で買えたチケットが、1日前だと5万円になっている」なんてことはよくあります。短納期での仕事の依頼は、相手に無理を強いたり、予定の大幅な変更を余儀なくさせることがあります。よって、料金が高くなります。
2、意図を汲んでくれる力
別の言い方で言うと「阿吽の呼吸」です。依頼者が「Aをお願いします」と頼んだら、ライターが「分かりました」といって、Aが期待する成果物を仕上げてくる。依頼者が詳しく説明しなくても理解してくれる。これが阿吽の呼吸です。
阿吽の呼吸力を鍛えるには、相手が欲しいと思っている成果物を自分なりに考え、共有し、納品するという繰り返しが必要になります。一定期間やり取りが積み重なると、「この人が求めているものは、この水準のクオリティで、この方向性だな」ということが分かるようになります。
3、短く要点を押さえたメッセージ
依頼者とライターの関係は、通常冷めた関係です。依頼者の観点だと、予算の範囲内でできるだけ良い記事を書いてもらいたい、コミュニケーションにかける労力は最小限にしたい、そう考えています(少なくとも私はそうです)。
よって、やり取りする文章は短いほど良いです。時々、仕事の依頼を出すと、無関係な長い文章で応募してくる人がいますが、これは相手に「長い文章を時間をかけて読め」と強要しているのと同じで、印象は大変悪いです。
また、何を言いたいのか分からないメッセージもよくありません。例えばYESなのかNOなのか、こちらのアクションが必要なのか不要なのかが分からないメッセージは相手に「聞き返すための追加の労力」をかけさせています。自分のメッセージがわかりにくく、相手が聞き返してきた時点で、自分の文章力のなさを恥じるべきです(とはいえ、私もたまにやってしまいますw)。
要点を網羅しているが、短く分かりやすい文章、これが重要です。相手の問いに端的に答えていて、かつ5W1Hをカバーしている。こうしたやり取りがありがたいです。
4、レスの早さ
「ご確認お願いします」とメッセージを送って、長期間返信がないと不安になります。できれば24時間以内、遅くとも48時間以内に返信が欲しいなと思います。
もし返信が面倒な場合は、「連絡ありがとうございます。後ほど確認して返信します」でもいいので、「メッセージを読んだ」ことがわかる内容を返信してほしいなと思います。
大学生の時に受けた授業でこんなことを言っている先生がいました。「メールは生もの。24時間以内に食べると美味しい。それ以上になると、食べられるが美味しくはない」。今思うと、なかなかうまいこと言っていたなと思います。
5、提案力
今月の納品が終わった、さて来月はどうなるのかな。と思ったときに、提案してくれるライターは大変ありがたいです(私もライターの立場になると、例外なく提案しています)。
「来月どうなるのかな」とライターが思っているとき、依頼者も「来月どうしようかな」と考えていることが多いです。こうした時に、「来月はこういうテーマが良いと考えて、記事テーマを提案させて頂きます」などと言われると、「おおっ、これはありがたい。お願いします」と言われる可能性は高いです。
6、ポジティブさ
ここは、人によって異なるかもしれませんが、私はメッセージをやり取りしていて、「この人はポジティブでエネルギーがあるな」「この人とメッセージやり取りしていると楽しいな」と感じられると、とても嬉しいです。
ネガティブなものが感じられるメッセージからは、エネルギーが奪われますが、ポジティブなメッセージからは逆にエネルギーをもらうことができます。
もし同じような内容を依頼するのであれば、ポジティブな人と付き合いたいと思います。
まとめ
というわけで、ここ数カ月の仕事依頼経験から、漠然と考えていたことを具体的に文章にしてみました。依頼者も人間なので、喜ばせることができれば、懐がゆるくなります。依頼者を喜ばせるため、ぜひ上記ご活用ください。