[ライター向け] 記事提案の5つのポイント


「このテーマで記事をお願いします」と、詳細の内容を渡されて記事を書いていると、ついつい受け身になりがちです。もちろん、ライターは受託仕事なので、「依頼主の要求事項をきちんとこなす」ことが必要ですが、それだけでは仕事が広がりません。

例えば、あるサイトで月に50本の記事がアップされていたとして、自分がそのうち5本を書いていたとします。しかし、できれば倍の10本取りたい。そんな時に、ただ待っているだけでは自分の取り分は増えません。こんな時に必要なのが提案です。

提案とは

フリーライターにおける提案とは、依頼主が欲しい内容を先回りして考えて、「こういう内容が欲しいですよね、私書けますよ」と教えてあげて、その結果自分の仕事、売り上げを増やすことです。

依頼主からすると、流入増加のためのネタを自分だけで考えるのではなく、ライターさんが考えてくれることで「ネタを考える手間」が省けて、かつ「自分では思いつかないネタ」が出てくることもありますので、基本歓迎されます。

そして、提案をすることはノーリスクです。考える時間は機会費用になりますが、それを除けば失うものはありません。もし提案がいま一つヒットしなくても、依頼主からすると「いろいろ考えて提案してくれる熱心なライターさんだな」と思ってくれるはずです。印象は良いです。

提案のポイント

提案のポイントは以下の通りです。

1.依頼主より自分のほうが詳しいネタで提案する

例えば、TOEIC学習のサイトを考えてみましょう。依頼主が「TOEIC 990点で、海外大学卒で英語バリバリ使って仕事をしていた」場合、自分が「TOEIC 700点で、英語はあまり使ったことがない」程度の経験しかないと、そもそも提案力が圧倒的に弱いです。

もちろん、弱者の戦略、例えば「TOEICを400点から700点に上げた方法」といった記事など、点数が低くても書ける記事はありますが、どうしても立場上弱くなります。相手の方が圧倒的に英語強いわけですから。このような場合、弱者の戦略的な記事以外の提案は通りにくくなります。

逆の場合を考えてみましょう。例えば「ITと農業」というサイトがあったとします。しかし依頼主はITも農業もさほど詳しくないとします。この場合、自分がITもしくは農業のどちらかの知識があれば、立場は相当強いです。相手が知らないネタを引っ張り出してきて、「これは書くべきネタです」と提案することができるからです。ITについて詳しいが、農業についてさほど詳しくないという場合でも、ITの農業のニュースなどを見ると、ITの観点から農業の自動化・効率化・安全などを結び付けて考えられます。

  • アフィリエイトサイト向けの記事で、依頼主はテーマについて特別詳しいわけではない
  • 総合ニュースサイトなど、多くのネタがたくさん入っているサイトで、依頼主は個別のテーマはよく知らない
  • ITと農業、のような2つのテーマの交わりについてのサイトで、依頼主は片方のテーマについては詳しいが、もう片方のテーマについては詳しくない

もしあなたの依頼主がこのような方で、あなたがそれなりに詳しい分野であれば、提案は大歓迎されますし、提案が通る率も高いです。

2.最大でも現在の2倍程度の本数の提案にとどめる

依頼主も月ごとの予算があるので、毎月50本の記事を5本ずつ、10人のライターさんに依頼しているところ、「100本ネタを考えたので、今月納品してもよいですか」と言われたら、さすがに「予算オーバーです」となります。

また、急に本数を増加させると、他のライターさんを切らねばならないので、依頼主からするとリスクです。他のライターさんを切ったとしても、たくさん納品してくれるといった人が本当にきちんと納品してくれるかは、分からないからです。よって、「よい記事を提案してくれ、きちんとしたクオリティで、期日までに納品してくれる」という信用を作る必要があります。

例えば、毎月50本上がっているサイトのうち、最終的に20本を取りたいとしても、徐々に本数を増やしていくのがおすすめです。例えば、毎月5本書いていたら10本提案してみる。そして数カ月かけて「よい提案、良い記事、期日通りの納品」という信頼を作り、そのうえで、「実はまだまだ書けます。20本いかがでしょうか」と提案するという流れです。

もちろん、提案する本数は期日までに必ず納品できる本数にとどめるようにしましょう。欲張って提案したが、納品が間に合わなかったとなっては逆効果です。信頼を失います。

3.自分の書きやすい内容に引き付けた提案にする

どうせ記事を書くのであれば、書いていて楽しくなる内容を書きたいものです。よって、提案する内容は自分の書きやすい、書きたい内容に引き付けるとよいです。

提案をする

提案が通る

自分が比較的書きやすい、また書きたい内容が書ける

快い体験、楽しい!

と、このようになります。こういう土俵に持ち込めると、「お金をもらってつまらないことを書いたりまとめたりして、何とかお金をもらう」のではなく、「それなりに興味があることを比較的楽しく書いてお金がもらえる」という状態に近づきます。もちろん、いくら楽しいネタでも書いていると辛いこともありますが、苦手なネタよりははるかによいはずです。

「自分に引き付けた内容を書く」リスクは、「どうしても似たようなネタ、似たような切り口になりがち」だということです。よって、似たようなネタ、切り口の場合は、納品月をずらすなどの工夫だったり、ネタの広げ方、新しいネタ、新しい切り口などを常に考えて模索する必要があります。

4.SEOを考慮して提案する

自分の好きなことを書いて、その記事の品質が高かったとしても、ユーザーの流入がなければ仕方ありません。よって、「提案する記事が流入増加につながるのか」を考えたうえで提案することが必要です。つまりはSEOです。

SEOに関するテクニックはWebに山ほど上がっています。無料でできる内容で構わないので、自分なりにこう考えてみた、このような題名、このような構成、このようなキーワードにしてみた、という「考えた証拠」を依頼主に見せてあげましょう。

そのうえで、「こんな感じで考えてみましたが、もし足りないことがあれば学習したいので、ぜひ教えてください」と言えば、多くの依頼主は「考えて提案してきてくれるのか、ありがたい」と感じてくれるはずです。

ライターの多くはSEOを考慮して記事を書いていないので、こうしたライターは貴重です。依頼主は、SEOが分かるライターを優遇します。そして、SEOを考えた提案は単価アップ交渉の材料になります。

あとSEOが分かると、「ライター業だけでなく、自分でアフィリエイトサイトを作ってみよう」というときに半端なく役に立ちます。

5.提案が受け入れられない場合理由を聞く

提案が受け入れられないと、正直がっかりします。しかし、この時に「ダメだったか」としょんぼりするのではなく、ちゃんと理由を聞きましょう。理由としてはこのようなものがあるのではないかと思います。

1.提案の質が低い

「提案の方向性は間違ってはいないが、レベルが低い」という内容です。この場合は、「ぜひ良い提案をしたいと思っているので、どのような点でレベルが低いと感じたのか教えて欲しい」ともう一歩突っ込んで聞いてみましょう。

  • 構成が良くない
  • 専門性が低い(内容が薄い)
  • SEOが考慮されていない、流入が見込めない

など、回答があるはずです。そのうえで「さらに食らいついていって、質を上げて提案するか」、それとも「ちょっとテーマ的にこれ以上質を上げるのは難しいので、もう提案しない」かを選べばいいわけです。

2.提案の方向性が違った

提案の質はいいが方向性が違うことを理由に、提案が拒否されることはほとんどありません。多くの場合、「いい提案ですね。ただ、うちのサイトはこのような趣旨なので、流れと結論をこう変えて執筆お願いできませんか」となるはずです。

もし、方向性を理由に拒否された場合も突っ込んで聞いてみましょう。

3.記事数を増やす余力がない

「1人のライターの記事を増やすと、ライターを減らさないといけない」「今のライティング体制を崩したくない」と依頼主が考えている場合は、提案してもすぐに増えないでしょう。ただ、一度提案したが、依頼主がやむを得ない事情で提案を飲めない、ということは、ある意味「ライターが依頼主に貸しを作る」ことになります。「せっかく提案して、内容も良かったのに、依頼主側の事情で採用できなかった」わけですから。

依頼主からすると「せっかく提案してくれたのに申し訳ないな」という気持ちが残ります。そして、こうした申し訳なさは、「別なライターが書けなくなった」というような場合に、あまたに白羽の矢が立つことにつながります。

このように、今すぐ提案が採用されなかったとしても、損することは全くありません。

4.依頼主が記事を全部考えているので、提案は受け付けていない

かなり作り込んだサイトを作っている場合、既に依頼主側が「完璧な記事リスト」を作っている場合があります。こうした場合は、提案しても受け入れられる可能性が低いです。依頼主側で考え抜いて、「これでいける!」という記事全体の中に、別種のものを入れるのは違和感があるからです。

ただ、こうしたサイトであっても、最初に作った記事リストのストックが尽きた場合などに、こちらが提案した記事が採用される場合もあります。ただ、提案が通るには時間がかかるかもしれません。

まとめ

「書くのが好きでたまらない」という方でも、得意分野、不得意分野があるかと思います。提案する、ということは、できるだけ自分の得意分野の経験、知識を生かして書く、それも楽しく書くことにつながります。

依頼主に言われるままに書いている方は、そこから脱却するためにも、今月は新たに提案してみてはいかがでしょうか。