独立前にやっておいたほうがよいこと


会社で嫌なことがあった、サラリーマン暮らしに不安が生じた、家族が急に病気になった、もともと独立したいと思っていた、もっと稼ぎたい、などなど、独立したいと思う理由はそれぞれあるかと思います。

以下では、独立して1年ほど経つ私の経験を元に「独立前にやっておいたことがいいこと」と「私の実体験」をお伝えします。

独立前にやっておいたほうがよいこと

1.必要となるお金を計算する

当然ですが、生活費以下しか稼げなければ毎月赤字になります。これを避けるためには生活費以上の金額を稼ぐ必要があります。

しかし、サラリーマン時代には会社が代わりに払ってくれていた、または源泉徴収で意識することがなかったお金があることを忘れてはいけません。

  • 健康保険
  • 所得税
  • 住民税
  • 国民年金(または厚生年金)
  • 法人税(会社の場合)
  • 売上に対する消費税

よって、「サラリーマン時代の生活費が30万だったから、30万円稼げばOK」とはなりません。これでは税金など払えなくなります。よって、独立したらサラリーマン時代より多く稼ぐ必要があります。もし、知り合いに独立してビジネスをやっている人がいれば、一度お金の相談に乗ってもらうことをお勧めします。

なお、当然のことですが、「独身」のほうが「配偶者・子供持ち」よりも固定費が少ないので、独立するなら独身のうちがお勧めです。少しでも独立したいのであれば、若いうちに独立したほうがよいと思います。

2.稼げるスキルを洗い出す

独立してお金を稼ぐ、ということは「何かしらの自分のスキルを切り売りする」か、「事業を作る」か、「投資」かの3択ではないかと思います。

とはいえ、投資をするほどお金がある人はさほど多くないと思いますので、まずは「スキルの切り売り」か「事業を作る」かのどちらかになります。

まず、「事業を作る」です。事業を作るのは長い時間がかかります。そして、事業を作っている間はお金が出ていくばかりで、売上はゼロです。つまり、事業を作るためには時間かキャッシュ、またはその両方が必要です。ただ、事業が回り始めたら青天井で売上・利益をもたらしてくれる可能性があります。

逆に「スキルの切り売り」は、フリーランスを連想するのがよいかと思います。例えば、ライティングができる人であれば「書く」というスキルを使って、時間をかけて作った成果物をお金に換えることになります。よほど悪い依頼主にでも当たらない限り、ほぼ確実に現金化できます。ただ、フリーランスで得られる収入は時間を大量に投下しないと大きくならない場合が多いので、売上・利益が青天井になることはありません。

当座の生活を回すためには、「スキルの切り売り」が最も手っ取り早く確実です。そして、「スキルの切り売り」をして作ったお金が増えてきたら、それを自分の事業に回すのが一般的ではないかと思います。

そこで考えなければならないのは、「自分はどのスキルを売れるのだろうか」という点です。私は最初に入社した会社が大企業でしたが、大企業でニーズがある職種がすなわち、独立して食べられる職種とは限りません。

例えば、「データサイエンティスト」という職種があります。これはフルタイムで働くとなれば、かなり稼げる職種ですが、フリーランスとなるとなかなかスキルを売りにくい職種ではないでしょうか。大手企業では、データサイエンティストは正社員として雇いたい職種ですが、フリーランスで使いたいとは思わないためです。そして中小企業ではデータサイエンティストは不要であることがほとんどです。

私は、「法人営業」「海外営業」「CRM導入」などの経験がありますが、こうしたスキルよりも個人的に身に着けた「SEO」を核とした「ライティング」「サイト制作」のほうがよほど食べられるスキルになっています。

「会社で評価されて働いてきたから、自分は何となく凄いんじゃないか」という思い込みが危険です。フリーランスとして売れるスキルと、会社の中で正社員として働くスキルがマッチしないためです。そこで必要なのが売れるスキルの洗い出しです。自分にはどういった「売れるスキル」があるかを並べてみましょう。そして、顧客がこうしたスキルを買いたいかどうか、いくらで買いたいかどうかを考えてみましょう。

「洗い出してみると、自分には売れるスキルがあまりなかった」と言う人は結構いるのではないでしょうか。もしスキルがなければ、スキルを付けるのみです。自分の得意分野の周辺スキルを付けることでパワーアップする、または得意分野ではないが稼げるスキルをサラリーマンのうちに身に着けるなどの工夫が必要です。

そしてスキルを付ける際、「何のスキルを身に着けるか」は、自分の思い込みで判断するのではなく、独立している友人知人に聞いたり、クラウドソーシングサイトで見てから判断しましょう。せっかく身に着けたスキルが、世間では大きなニーズがない場合は、意味がないことになってしまいます。

3.独立前に営業する

「もし自分が独立したら、こういうスキルを使ってあなたにこうしたサービスを提供できる」と、友人知人にアピールして、仕事を出してもらえそうかどうか探ってみる、または直接営業してみるのは効果的です。独立した最初の月に、どの程度の売り上げが見込めるかを判断できるからです。

例えば、「友人知人から、毎月50万円の売り上げが見込めそう。生活費は30万円だしこれで大丈夫」と思うのは間違いです。そもそも最初の発注があるかどうかも分かりませんし、発注があったとしても2カ月目以後継続発注があるかどうかも分かりません。目安としては、欲しい金額の3倍くらいの売上が見込めそうだというくらい、事前に営業しておくのがよいのではないでしょうか。

ちなみに私は、独立時に欲しい金額の1.5倍くらいの売り上げ見込みを積んだはずが、その半分くらいしか注文されず大変なことになりました。

4.貯金する

独立当初は絶対に見込み通りに物事が進みません。こうなったときに頼れるのは、当座の生活費を支えてくれる貯金です。売り上げがゼロでも何か月か暮らしていけるだけの貯金があると、心安らかに毎日を過ごすことができます。

5.クラウドソーシングを使う

ランサーズやクラウドワークスといったクラウドソーシング仕事は、単価は安いですが、当座のお金を稼ぐには良い手段です。自分のスキルを使ってクラウドソーシングで稼げそうな仕事にはどんなものがあるか、調べておくとよいでしょう。

ただ、クラウドソーシングで誰でもできる仕事をやっていると、ブラック企業勤めの人以上に厳しい生活になりますので、クラウドソーシングの単価で満足しないほうがよいですし、クラウドソーシング以外でどうやって仕事を取っていくかを考えることも必要になります。

6.友人・仕事仲間を持つ

仕事やお金をくれるのでなくても、時々会って色々話せる友人や仕事仲間がいることはとても大切です。うまくいかないと収入源に直結するので、精神的になかなか大変な場面も多いです。よって、不安を吐露したり、笑い飛ばしたりする仲間がいるのはとても大切です。

自分より少し先に独立している方で、色々な苦労を乗り越えてきている方であればベストです。そうした方であれば、「自分もそういうことがあったけど、何とか乗り越えてきた。だから君も大丈夫」と励ましてくれます。こうした仲間、先輩が独立前からいると素晴らしいです。

7.目標を作る

計画を立てても予定通りにはなりません。しかし、目標を持っておくこと、どの方向に進みたいのかを決めておくことは大切です。凄腕のフリーランサーという方向性も正しいですし、ビジネスを作るという方向性も正しいです。ただ、目標が違えば当然取るべきアクションも異なります。

目標がないと、何となく目の前にきた案件を一生懸命こなすが、去年も今年も同じようなことをやって、来年も同じようなことをやる可能性が高いです。

私の実体験

私は、数カ月は食べられるお金を貯金してから独立しましたが、お伝えした通り、予定していた案件は半分しか入ってきませんでした。

これは困った、生活できないと思い、最初に手を付けたのが友人知人からの案件を大きくする活動です。提案して、案件を増やすことをやっていました。しかし、友人知人も使えるお金に限度がありますし、使いたいタイミングかどうかもビジネス全体の流れで決まってきます。つまり、来月どの程度の売り上げが上がるか分からないだけでなく、売上が減った場合に他の案件で埋めることが難しいため、打撃が大きかったのです。

よって、大きな収入源に依存するのは危険だ、ということに改めて気が付いて仕事を増やそうとしましたが、なかなか増えませんでした。ここで、「クラウドソーシングって仕事安いイメージしかないけどやってみるか」と踏み出してやってみたところ、確かに単価は安かったです。ただ、一度うまくできた顧客に提案して仕事を広げたり努力をすれば、それなりの売上になってくれることが分かりました。

私は「ビジネスを作りたい人」なのですが、ビジネスを作るには時間とお金の両方が必要です。よって、まずはビジネスを作るうえで「時間さえあればできること」をやりつつも、収入を増やして自分のビジネスに回すお金を十分作ることに集中しています。

最後に「準備しすぎない」

これまで書いてきたこととは矛盾しますが、「万全の状態を作ってから独立しよう」と思っても、万全の状態なんてものはまず作れません。よって、ある程度の不安要素があるのが普通です。その不安要素が許容範囲かどうか、自分でよく考えてみましょう。また友人知人に相談するのもよいかもしれません。

皆様の独立に幸多きことを祈ります。